低身長の子供の治療には保険が適用されるか

低身長の子供の治療には保険が適用されるか

■低身長は保険を適用できるか

 

低身長の治療では、健康保険を適用できるのでしょうか。

 

 

 

健康保険とは、病気やケガの治療、それによる休業、また出産や死亡などの
事態に備えるための医療保険制度です。

 

 

個人事業者、無職の人などが加入する国民健康保険と会社に勤めている人が
主に加入する社会保険があります。

 

 

健康保険に加入していれば、医療機関での診察料金が、2〜3割分だけの負担で
すみます。

 

 

ただし、社会保険の場合は、扶養家族として登録していれば、自分の子供を
自分の健康保険で診察してもらうことが可能ですが、国民健康保険は、加入者
自身しか対象となっていません。

 

 

低身長というのは、同年齢の子供の100人中、2番目に低い子よりも低い
という状態を示します。

 

 

低身長というのは、体の状態を示しているもので、病名ではありません。

 

 

よって、病院で低身長という判断がされただけでは、保険の対象となるかどうか
は、わかりません。

 

 

低身長で健康保険の対象となるには、体に異常があって低身長となっている
場合のみです。

 

 

低身長でも健康保険の対象とならないのは、体に異常が無い場合です。

 

 

どのような場合かというと、食が細い、栄養素が足りていないなどの原因で
低身長なっている場合です。

 

 

この場合は、食生活を見直すことで回復することができます。

 

 

また、親が低身長であるという遺伝的な場合や、精神的な問題で低身長となっている
場合も保険適用の対象外です。

 

 

■低身長で保険が適用されるものとは

 

低身長の治療で保険が適用できるのは、どのような場合でしょうか。

 

 

 

 

体の異常が原因で低身長となっている場合で、次の病気と診断された
場合に保険が適用できます。

 

 

・成長ホルモン分泌不全性低身長症
成長ホルモンの分泌が不足しているという病気です。

 

 

・SGA性低身長症
生まれつき発育不全で小さく、そのまま大きくなっていないという病気
です。

 

 

・ターナー症候群による低身長症
・プラダー・ウィリー症候群による低身長症
・ヌーナン症候群による低身長症

 

 

生まれつき染色体に異常があるという病気です。

 

 

・軟骨異栄養症(軟骨無形成症や軟骨低形成症)による低身長症
骨や軟骨に異常がある病気です。

 

 

・小児慢性腎不全による低身長症
腎臓などの内臓に異常がある場合です。

 

 

これらの治療には健康保険が適用できます。

 

 

しかし、健康保険だけでは支払いが困難となるほど、低身長の治療には
治療費がかかります。

 

 

■低身長の治療

 

体に異常がある場合の低身長の治療とは、どのような事を行うのでしょうか。

 

 

 

前項の健康保険が適用される病気の治療には、ほとんど成長ホルモンの
治療を行います。

 

 

成長ホルモンの製剤を、お尻へ注射器で投薬するという治療方法です。

 

 

軟骨異栄養症の場合は、整形外科手術で骨を足すことを行う場合がありますが
この病気の場合も成長ホルモンの投薬が、主な治療となります。

 

 

成長ホルモンを投薬すれば、身長は伸びてきますが、長く続ける必要が
あります。

 

 

身長が伸びるのは、思春期が終わるまでです。
思春期が終わると、成長ホルモンを投薬しても身長は伸びません。

 

 

よって、思春期が終わる18歳頃まで治療の継続が必要なのです。

 

 

治療の開始は、早い方がよいとされ、3歳ころからの治療を奨励している
ようです。

 

 

成長ホルモンの製剤は非常に高価な薬です。
1年間投薬すると、何百万円もかかることもあるそうです。

 

 

体重あたりで投薬量が変わってくるのですが、健康保険が認められた場合でも
体重×0.6万円×0.3(保険負担分)ほどの費用がかかります。

 

 

30kgの子供であれば、毎月6万円程度、年間で70万円程度必要になります。

 

 

健康保険以外の補助制度、「高額医療費制度」や「特定疾患医療補助制度」など
を利用した方がよいでしょう。

 

 

■健康保険以外の補助制度

 

健康保険以外で医療費を補助してくれる制度とは、どんなものでしょうか。

 

 

 

健康保険では、医療費の3割だけを負担すればよいという制度ですが、高額な
治療費がかかる病気では、それだけでは厳しいことがあります。

 

 

それを補助するために、次のような補助制度があります。

 

 

・高額医療費制度
治療費の自己負担分額が一定の金額を超えた場合に、超えた分を後で返金して
くれる制度です。

 

 

一定の金額は年齢や所得によって変わってきます。
母子家庭や生活保護家庭は無料となります。

 

 

・小児慢性特定疾患による医療費助成制度
規定で定めた特定疾患の場合に支給される制度です。

 

 

低身長となる体の病気は、ほとんど小児特定疾患として認定されています。

 

 

認定されると、地方自治体から医療機関に支払う自己負担分を一部、または全額
を助成してもらえます。 多くの自治体が行っています。

 

 

しかし近年、小児慢性特定疾患の設定基準が厳しくなりました。

 

 

特定疾患であっても、治療開始時身長が−2.5SD値以下でないと認定されなくなりました。
今まではー2.0SD値でした。

 


また、治療により身長が伸びて、男子なら156.4cm、女子なら145.4cmに達すると
認定が取り消されることになりました。

 

 

他にもさまざまな助成制度があるので、かかりつけ医や自治体の窓口で問い合わせると
よいでしょう。

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